“騎手から調教師へ” 嘉藤貴行調教師に聞いた「好調の理由とは」

想定班レポート

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今年2月に美浦トレセンでは新たに4つの厩舎が開業したが、中でも注目しているのが嘉藤貴行厩舎だ。スタートして約3ヵ月、これまで述べ19頭を出走させ既に2勝を挙げており、3着内率0.263というのはなかなか立派な数字と言えるだろう。通常、調教師試験に合格すると技術調教師として1年以上の準備期間が設けられるのが常だが、引退した田中清隆調教師の後継者指名があったため、合格から数ヶ月での慌ただしい中での開業となった。そんな嘉藤貴行調教師に多忙だった開業からこれまでを振り返ってもらった。(文:坂倉和智TM)
コスモコラッジョ

延べ5頭目での厩舎初勝利と開業から勢い十分(コスモコラッジョが厩舎初勝利)

 
 
「ありがたいことに、開業から抜群のスタートを切れています。自分でも怖いくらい、出来すぎだと思いますね」
 
「田中清厩舎の時とは、少しやり方を変えている部分もありますが、色々とスタッフとコミュニケーションを取りながら、という感じでしょうか。僕は現場の経験が少なく、できないことの方が多いですからね」
 
「それと厩舎のスタッフだけではなく、調教を手伝ってくれるジョッキーのきちんとした意見も尊重しながら、うまいこと連携を取ってやっています」
 
「早々と結果が出ていることもあって、厩舎の雰囲気はいいですよ。でも、ここで調子に乗ってしまってはいけないと思っています。騎手時代にそれで失敗していますから…」
 
と、あくまで謙虚な姿勢を崩さないナイスガイである。自分は田中清厩舎の取材担当だったこともあり、嘉藤調教師が騎手としてデビューする前の見習い騎手の時からの付き合い。これが決して取材向けの格好を付けた答えではないことはよくわかる。多忙な中、こちらの突然の依頼にもかかわらず快く取材に応じてくれた師には感謝しかない。厩舎の飛躍を祈りつつ今後の動向を見守っていきたいものである。
 
そして、話は今週の出走馬である日曜東京12Rレイテントロアーに。
「騎手時代にもお世話になった思い入れのある馬です。だいぶ歩様面が改善され、気性的にも大人になってきましたし馬体の感じもいいですよ。実績的には1200m向きですが、年齢的に少し付いて行けなくなっている部分があるので、今ならむしろ東京のこの位の距離でいいと思います。あとは展開が向いてくれればでしょう。頑張って欲しいですね」と、騎手時代にコンビを組んで勝利しているパートナーを、今度は管理馬として勝利に導く。

筆者:


1972年東京生まれ 1997年入社。美浦の厩舎取材を担当。予想スタイルは適性重視。趣味は、飲み歩き。

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