ドゥラメンテの“いとこ”ポルトドートウィユ 高野師「ダービーで堂々と勝負したい」

Road to Derby 2015
京都新聞杯日本ダービー

悲運の母へ 1日早い贈り物を

 冒頭で記したように、祖母が同じエアグルーヴで、いとこにあたるドゥラメンテが皐月賞を快勝し、ダービーでも最右翼の存在となった。ただし、ドゥラメンテの母アドマイヤグルーヴがGI2勝を含む重賞5勝の名牝だったのに対し、ポルトドートウィユの母ポルトフィーノは重賞すら勝てなかった馬だ。

 しかし、母は、桜花賞に駒を進めながらレース当日に左寛跛行のため出走取消となり、続くオークスも直前で骨折により回避。その後は何とか牝馬三冠ラストの秋華賞に間に合わせたが、今度は賞金不足による除外の憂き目に遭い、そして待望のGI出走となったエリザベス女王杯では、スタート直後に武豊騎手が落馬するアクシデントが起こり、そのままカラ馬で走り続けて、GIでは例のない“カラ馬で先頭ゴール”というパフォーマンスを演じた。無事だったら、重賞はおろかGIも勝てたかもしれない馬だったのだ。

 そういう意味で、ドゥラメンテと比較してもけっして血統的見劣りはないと言えるわけだが、ドゥラメンテに対しての意識を師に尋ねてみると、『意識がないと言えば嘘になるが、まだ大きな事を言える立場ではないからね。ダービーで堂々と勝負を挑むためにも、まず京都新聞杯で結果を求めたい』とのこと。まずは今回、という謙虚な師であるが、ダービー出走が叶うなら、好勝負になるという手応えは十分に感じられる。

 ポルトドートウィユの母は、同馬の1歳上の全兄にあたる初仔も競走馬になることができず、繁殖馬となっても悲運が続いているが、まずは母が成し得なかった重賞制覇を。それは、1日早い“母の日”のプレゼントとなるはずだ。