連覇を狙うベルカントVS適性抜群のネロ　今年のアイビスは一騎討ち？

連覇を狙うベルカントに　韋駄天組が勝負を挑む

デスク「現役の直線１０００ｍ巧者がズラリと揃っての好勝負が期待される一戦だけど、やっぱり主役は昨年の覇者ベルカントとなりそうだな」

武井「その昨年は２着に２馬身差、この舞台では圧勝と言える着差でしたし、続く北九州記念でも実質的なトップハンデでビッグアーサー以下に完勝したように、軽い芝では現役屈指のスプリンターと言えますね。小細工なしにスピードをフルに発揮できる舞台では、全幅の信頼が置けると思います」

小島「３着と敗れた前走のＣＢＣ賞にしても、海外遠征帰りだったことを考えれば上々の走りですよ。昨年の５４キロから斤量は１キロ増えますが、それでも前走より軽いなら恵まれた気がしますし、ＣＢＣ賞を取消してぶっつけとなった昨年と比べて臨戦過程もはるかに上なら、負けるイメージが沸きませんね」

加茂「前走に関しては、遠征帰りのみならず、実績のなかった左回りの分もあったと思いますわ。“ひと叩きして動きは確実にアップ。昨年同様の状態にある”と、角田師も上積みを強調していたんやけど、“外ラチ沿いを気分良く走らせたい”とも言っていたように、不安があるとすれば昨年のような外目の枠が引けなかったことくらいやろか。その分を割り引いたとしても連覇の確率は高いと思うんやけど…」

アイビスSD連覇を狙うベルカント（撮影：日刊ゲンダイ）

デスク「対して、枠を考えれば最高と言えるのがネロだな」

久光「このレースのみならず条件級でもリピーターが幅を利かせている直線１０００ｍ戦において、何より大事なのが“適性”です。ネロは４戦２勝、２着２回と、ほぼパーフェクトな戦績に加え、４戦全てが５４秒台で駆けているという安定性も評価したいですね。中間には４８秒２という栗東坂路で歴代２位の猛時計も出しているように、ここへ向けての仕上りも抜群だと思います」

守屋「加えて言うなら、ネロが直線競馬で２着に負けた２回は、ともに勝ち馬とは２キロ、４．５キロという斤量差があったハンデ戦ですから、別定戦で斤量差の少ない今回は信頼できるはずです。前走で４．５キロの斤量差があって敗れたプリンセスムーンにも、昨年の稲妻Ｓでは今回と同じ２キロの斤量差で完勝していますからね」

清野「ネロは１２００ｍでもオープンを３勝していますが、ベストは直線１０００ｍだと思います。いつでも重賞を勝てる、という状態から少し時間がかかってしまいましたが、目下の充実ぶりを考えても、ここでゲットできるのではないでしょうか」

小野智「前走は東京でオークスが行われた日だったんですけど、内田博騎手はわざわざ新潟まで乗りに行ったほど、この馬の直線競馬の適性を買っていたんです。負けはしましたが“アイビスでは巻き返す”とヤル気満々でしたし、前走が久々の直線競馬だったことを考えれば、勘も戻ったと見ていいですね」

瀬古「坂路での快時計については、体重の軽い見習騎手が乗ったこともあったんですが、それでも仕上りは上々と言えますね。暑さにも強い馬ですから、状態に関しては全く不安はないと見ていいでしょう」

大江原「ただ、プリンセスムーンだって、直線１０００ｍで５戦３勝、２着２回と完璧だろ。全６勝が５～８月という、いかにも夏場に強い牝馬だし、前走から１キロ増の５４キロなら何ら割り引く必要はないぞ」

伊利「その直線１０００ｍで、北村友一騎手騎乗時に限れば３戦全勝という点も見逃せませんよね。前走の韋駄天Sは追い出す際に前をカットされる不利がありながらネロを抑えたものですし、単にハンデに恵まれただけではないはずです。昨年より斤量が１キロ増えるベルカントの連覇を阻むのはこの馬ですよ」

佐藤直「斤量に関しては、確かにベルカントは割引きとなる一方で、ネロの５６キロはプラスだろうな。ただ、◎は俺もプリンセスムーンでいいと思うぞ。何より、数々の名スプリンターを輩出してきた安田隆厩舎だから、仕上げも万全と言えるよ」

細川「今回は重賞で相手のレベルが上がるので、陣営も楽観はしてませんが、それでも目下の状態の良さでチャンスはあるという雰囲気でしたね」