桜花賞馬が豪快差し切りV 新装開店レッツゴードンキ

佐藤直文 レース回顧
京都牝馬S

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真の復活はGIの舞台で レッツゴードンキ

 京都は連続開催の最終週に加えて稍重発表の馬場。内が全く伸びない外差し有利の状態だったものであり、フルゲートで外で出しづらい内枠の馬たちには厳しい状況だった。

 レッツゴードンキは、道中で行きたがるのを鞍上が宥めて脚を溜め、直線では馬場のいい大外へ持ち出して豪快に差し切った形。苦もなく外へ持ち出せる枠も良かったし、少し時計のかかる馬場も合う馬だ。スプリント路線やダートも試された馬だが、溜めて差す形も板に付いた今なら、桜花賞馬らしく芝のマイルでこそ。その桜花賞時は464キロだった馬体も、今回は502キロにまでモデルチェンジしており、ヴィクトリアマイルも見えてきたと言える。

レッツゴードンキ

一昨年の桜花賞馬レッツゴードンキ(中央黄帽)が人気に応えて優勝(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ワンスインナムーンは、外目の枠からスタートを決めて好位へ。直線でも馬場のいいところへ持ち出す、最高の競馬ができたように思える。最後の追い比べで屈したとはいえ、相手はGI馬。胸を張っていい2着だ。

 3着スナッチマインドは、内目の枠から後方で脚を溜め、直線では馬群を割ってよく伸びた、実に上手な競馬だった。ディープインパクト産駒ではあるが、少し時計かかる馬場の方がいいというタイプであり、条件さえ揃えば今後も重賞で目が離せない。

 4着エスティタートは、道中最後方から直線で大外からメンバー最速の上がりを使ったもの。思い切った競馬が功を奏したと言えるが、まだ条件級の身だけに、自己条件に戻れば勝機は近いはずだ。

 5着ムーンエクスプレスは、逃げて見せ場を十分に作ったが、数週前の馬場であれば残り目があったかも。オープンでもスピードが通用することを示し、今後に繋がる好内容だった。

 アットザシーサイドは、馬場の荒れた内で揉まれた上に、外へ持ち出すこともできなかった。今日のところは参考外と見ていいだろう。アルビアーノも内枠だったが、こちらは枠のせいではなく、プラス12キロの仕上げに問題があったか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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