後藤浩輝がダービーで乗るはずだった馬 ヴェラヴァルスター
未勝利→特別 連勝で軌道に乗る
明けて3歳の緒戦は、1月17日、中山芝2000mの未勝利戦。それまで2戦の手綱を取った北村宏司騎手が騎乗停止中ため、鞍上には初コンビの後藤浩輝騎手であったが、前走の好内容が評価されて、単勝1.7倍の高い支持を受けた。そして、その人気に応える2着に3馬身差の完勝で、未勝利卒業となった。
続く昇級戦は、2月7日のゆりかもめ賞(東京芝2400m)。再度の騎乗となった後藤騎手だが、道中は後方のインでジックリと脚を溜め、直線は内ラチ沿いから抜け出す競馬。最後は外からクビ差まで迫られたが、後藤騎手自身も『完勝でした』と話したほどの鮮やかな勝利であった。
東京2400mというダービーと同じ舞台での勝利は、条件戦だったとはいえ今後に期待を抱かせるものであった。
オーナーの理解があってこそ
当然、次走はトライアルを使って皐月賞出走をというプランもあったはずだが、ここで陣営は休養を選択。トライアルからダービーを目指すプランを選択した。そのあたりを木村師に伺った。
『ハーツクライの仔は、少しずつ成長していくタイプが多いので、当初から皐月賞は考えず、ダービーを目標にしてきました。前走後はノーザンファーム天栄へ放牧に出しましたが、毎週見に行ってましたし、しっかり調教も積まれて順調に来れましたね』
『目標をダービーに据えられたことで、時間をかけて成長を促すことができましたし、それもこれも、オーナーのご理解があったからこそです』と、実直な師らしく、オーナーへの感謝の気持ちが常にある。
厩舎開設5年目、過去最多が2013年の16勝という木村師だが、今年はすでに11勝(4月12日現在)で、関東リーディング4位をキープしている。同馬の他にも、アルビアーノが先のフラワーカップ(GIII)で、初の重賞タイトルをもたらしているが、厩舎の躍進は、オーナーへの感謝を忘れない師の姿勢と無関係ではあるまい。
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