ラブリーデイに続け! ヤマカツエースが中距離界の主役へ向け好発進

佐藤直文 レース回顧
中山金杯

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器用に立ち回って ヤマカツエース

 新年明けましておめでとうございます。本年も『優馬スペシャル競馬サイト』ならびに優馬本紙をご愛顧のほど、宜しくお願いいたします。

 まずは中山金杯からだが、出走馬を見渡してみると、前走で逃げた馬はおろか、先行している馬すらいないという状況だった。何が逃げてもスローペースは見えていた一戦であり、実際にテンの3ハロンは37秒2、1000m通過も62秒3という遅さ。5Rに組まれていた未勝利戦が、35秒9-60秒8であり、決着タイムが下回ったのも仕方ないだろう。

 ヤマカツエースは、このスローペースを好位で運んで、早目に仕掛ける形。流れに恵まれたとはいえ、こういった器用な立ち回りができたということ自体、充実の証だろう。3歳春まではマイル路線を歩んだ馬だが、今後は中距離路線で大きなところを狙える馬。昨年はここからラブリーデイが古馬中距離界の主役へ成長を遂げたが、前述したスローペースで時計こそ平凡でも、飛躍の期待は十分にある。

ヤマカツエース

中距離路線での大成が期待できるヤマカツエース(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着マイネルフロストは、ハナへ行って離して逃げたにもかかわらず超スローとなった時点で“やられた”と思えたほど。実力は折り紙付きだけに、自分の型で楽に運べば、これくらい走って当然だ。惜しむらくは、勝ち馬に目標とされたことと、ペースが遅すぎて上りの速い決着となってしまったこと。元々速い上がりを使える馬ではないだけに、差されてしまったが、それでも前半の貯金で2着を守った。

 3着フルーキーは、トップハンデに加えて初の2000mで、脚を溜める形も仕方なかったろう。今日の流れでは、中位以下の馬には用無しであり、それでもここまで差を詰めたことを評価すべきだ。そして、この距離にも対応できたことで、今後の選択肢も広がると思える。

 4着ライズトゥフェイムも、メンバー最速の上がりでよく差を詰めていたが、重賞で勝ち負けになるには、もうワンパンチ足りないかもしれない。

 5着ステラウインドは、枠なりに好位のインで流れに乗れたことが好走の因ではあるが、やはり脚を溜めて末脚を生かすのが本来の形だろう。

 ブライトエンブレムは、道中6番手と、いつもよりは前目で運んだが、勝負どころでポジションを上げられなかったもの。中山コースに実績があったとはいえ、スタミナ勝負が理想の馬であり、今日のような上がり勝負はキツかったか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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