菜七子の先輩・丸山の好騎乗で、ダンツプリウスが重賞初V

佐藤直文 レース回顧
ニュージーランドT

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菜七子に手本を示す先輩の好騎乗で ダンツプリウス

 以前は皐月賞出走が叶わなかった馬の好走例も多かったニュージーランドトロフィーだが、近年はマイル路線に専念した馬が優勢の傾向で、今年も出走馬のほとんどがその路線の馬たちだった。テン3ハロン34秒9のラップは、速くもなく遅くもなくの平均ペース。今の中山の公平な馬場を考えれば、どの位置からでも力さえあれば勝ち負けになったはずだが、ゴール前で複数の馬が不利を受けたのは少し残念だった。

 ダンツプリウスは、中団で流れに乗って4コーナーでは3番手グループと、自分の競馬ができての勝利。年明けのジュニアC勝ちが示すように、中山マイルの適性は高く、手綱を取り続けている丸山騎手も、こう乗れば勝てるという自信の騎乗だったように思える。ただ、いつものように抜け出してから遊ぶ面が見られて、2着馬にハナ差まで迫られたのが今後の課題だろう。そのあたりをクリアできなければ、さらなる強敵が待ち受けるNHKマイルCは厳しい戦いとなりそうだ。

ダンツプリウス

得意コースの中山芝1600mで重賞初制覇を飾ったダンツプリウス(赤帽、撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ストーミーシーは、4コーナー最後方から豪脚を見せたもので、これまで1200m戦しか走っていなかったことを考えても、かなりの評価を与えていいだろう。大外から内に切れ込みながらの伸びも、おそらく江田照騎手も勝ち負けになるほどまで来るとは思っておらず、ステッキを持ち替えるなどの余裕がなかったのだろう。東京コースの本番では勝ち馬以上にチャンスがあるかもしれない。

 3着エクラミレネールは、桜花賞を除外されてこちらへ回ってきたものだが、これまた中山マイルでV実績のある馬が巧く立ち回った形で、除外されて良かったと言える。

 4着アストラエンブレムは、ゴール前で外にいたハレルヤボーイが大きな不利を受けたあとで、さらに内に切れ込んだ2着馬の真後ろで入線。不利がなければ2着は無理でも3着はあったかと思えるが、追走に苦労した感はあるものの今日の流れを考えればポジションも悪過ぎたか。NHKマイルCの出走権を取れなかったのは痛かったが、まだまだこれからの馬かもしれない。

 5着レインボーラインは、枠なりにインを巧く立ち回っての直線勝負だったが、まともに追えたのは残り1ハロンから。少し脚を余していたように思える。

 ハレルヤボーイは、一番大きな不利を受けたものだが、不利がなくても前に届くほどの勢いはなかった。サーブルオールは、馬体の良さを考えても先々は間違いなく走ってくる馬だが、1600mではなく2000mかそれ以上の距離がベストのように思え、長い目で見たい。ボールライトニングは、勝ち馬とほとんど同じ位置から伸びなかったが、道中で落鉄があったようで、参考外かもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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