打倒ジャッカル＆ラキシスに、究極の仕上げで挑む馬とは…

無傷での重賞Ｖなるかビッグアーサー　北九州記念

デスク「北九州記念は、距離が１２００ｍとなってからの９年間で、１番人気が１勝してるだけで、あとは全て５番以下の馬が勝っているんだな。いかにもハンデ戦らしい傾向だが…」

那谷「下級条件の１２００ｍでは逃げ・先行馬が有利だけど、このレースでは超ハイペースの前傾ラップになることが多い点は、絶対に押さえておくべきだよな。荒れる傾向も、このことと無関係ではないし、昨年こそ珍しく先行勢のワンツーだったけど、１２００ｍの重賞の中では最も差し・追込が決まりやすいレースなんだよ」

田崎「ただ、どういう流れになろうが、今年はビッグアーサーが人気に応えてくれると僕は思ってます。条件戦での５連勝とはいえ、３走前２着のティーハーフが重賞ウィナーとなり、２走前２着のエポワスも先日の札幌でオープンを勝っているように、中身も濃いですよ」

加茂「違った舞台での連勝で、回りも直線の長短も全く関係なくこなしてきた馬やからね。さらには、先行抜け出し、中団からの差し切りと、勝ち方のバリエーションも豊か。一見危なそうに見えたここ２走も、陣営によると“２走前は落鉄、前走は余裕残しの仕上げ”なんやから、恐れ入りますわ。その余裕残しの前走と比べても、先週の坂路で５１秒４の自己ベストをマークした今回は抜かりのない仕上げで、無傷での重賞Ｖを飾る可能性も高いはずやで」

初重賞制覇を狙うビッグアーサーはデビュー以来負け無しの5連勝中（撮影：日刊ゲンダイ）

デスク「そこに待ったをかける馬として、サドンストームに多くの◎が並んだな」

須藤「どんな馬場でも展開でも、終いは確実に伸びてきて、年齢を重ねるにつれて堅実になってきましたね。ハイペースと今の小倉の馬場状態を考えれば、差しが決まると判断しました」

桜井「ＧIやその前哨戦を含めて、昨年秋からの８戦で７回も掲示板を確保しているんだから頭が下がりますよ。気性の成長とともに、出遅れ癖や追ってモタれる面が解消したのも大きいですよね。２年前に１０着と敗れた時は、直前の長距離輸送が響いたので、今回は１週前に小倉入りして普段通りの状態で出走できます。滞在効果であとひと押し。この馬も初重賞制覇のチャンスだと思いますよ」

吉田「最終追いの時計こそ平凡やったけど、角馬場からコースに出て追い切るまでのダクとキャンターに、かなりの時間と距離をかけてましたわ。実際、木曜、金曜の調教も落ち着いとったし、トップハンデでも５７キロなら、問題ないんとちゃいますか」

デスク「その前走ＣＢＣ賞組では、ベルルミエールも怖い存在だよな」

那谷「担当馬が７頭も出走するんで、是非とも当てたいところ。とはいえ、最初に偉そうな能書きをたれた割に担当馬にピンと来る馬がいなくって…。で、担当外のベルルミエールに◎を打ったんだけど、１２００ｍでの持ち時計では見劣っても、１４００ｍで１分２０秒４があれば、１分７秒台の決着にも対応できるはずだし、勝つ資格は十分あると思うんだ」

瀬古「阪神牝馬ステークスでは先行して好走しましたが、これだけ速い馬が揃っての１２００ｍなら、前走と同じ競馬でハマりそうですよね。先週の時点では悪かった息遣いも、最終追いで良くなっているようです」

持木「ただ、馬場状態も微妙とはいえ、ある程度の速い時計の決着が予想される中で、１２００ｍの持ちタイムが劣るという点は、マイナス材料だと思いますが…」

デスク「前走のアイビスサマーダッシュが強いの一言だったベルカントはどうなんだ？ 昨年もアイビス組のリトルゲルダが勝っているし、ローテーション的には問題ないはずだよな」

加茂「坂路で５０秒を切る馬やし、前走はレース前から“直線競馬は合う”と陣営も口を揃えていたんや。ただ、最大の勝因は、適性以上に“体調が良かった”ということ。その状態はキープできてるから、当然チャンスはあるやろね」

田崎「ただ、もともとコーナーリングが上手ではない馬ですし、直線競馬での強さは別物と見ていいかもしれませんよ」

那谷「確かに前走の圧勝ぶりが逆に気懸かりなんだよな。激流ラップを追走して、直線でバッタリのシーンが目に浮かぶんだが…」