今年もクラシック候補が誕生？ 素質馬が集まった新潟２歳Ｓ、関係者の本音は…

ところで　いったい何が逃げるんだ？

デスク「ここ数年は比較的本命サイドの決着が続いているけど、過去には大波乱もあったレースだよな」

目黒「今週の取材をしている時に、複数の陣営から“どの馬が逃げるの？”と聞かれたんですが、即答できないメンバーなんですよね。短距離重賞では珍しい事態ですが、各馬が牽制し合っての超スローなら、大荒れの可能性もあると思います」

木谷「僕もそこんところが気になります。函館スプリントＳは予想外にペースが速かったんですよね…。ティーハーフもレンイングランドも、展開に恵まれた部分が多少はあると思うんですよ」

小桧山「俺は、昨年先行して３着に粘ったマジンプロスパーあたりが、無欲の逃げの手に出る可能性もあると見ているぞ。競りかける馬のいない流れなら、残り目もあるんじゃないかな」

打越「逃げるかどうかは別として、マジンプロスパーの前走は、開幕週の馬場で外々を回らされる形になりながらも、終いは渋太く差を詰めたあたり、復調の兆しは見せたと思うんだ。強かったティーハーフとの斤量差も、２キロ重かった前走とは逆に１キロ軽くなるんだから、自身の上積みも込みで勝負になっていいはずだよ」

デスク「先週の札幌記念は、ヒットザターゲットでのフルスイングが見事にマグレ当たりした木谷だが、今回は進塁打のような◎だな」

木谷「“マグレ当たり”は余計(怒)ですが、僕はペースが上がらないことを前提に、オメガヴェンデッタで良いんじゃないかと思っています。初の１２００ｍで重馬場の前走は、ラスト２Ｆを１１秒９～１１秒６と加速して勝ち切ってますし、京王杯スプリングＣも強い競馬でしたよね。好位で立ち回れるこの馬に展開が向くと思います」

落合「そこで負かしたエポワスが、次にレコード勝ちしたことを考えても前走は評価できるよな。ティーハーフとの比較でも、前々で運べる強味があるし」

目黒「ただ厩舎サイドは『まだ馬が完成途上で、本当に良くなるのはもう少し先。それにメンバーも一気に強くなるから…』と、かなり慎重なコメントでしたね。それでも横山典騎手は“メインは楽しみ”と、期待している様子でしたが」

重賞初制覇を狙うオメガヴェンデッタ、母は重賞3勝のビハインドザマスク（撮影：日刊ゲンダイ）

デスク「ちょいちょい名前が挙がる割には誰も◎がいないエポワスはどうなんだ？」

馬場「レコード勝ちの反動や硬さもなく、良い状態で出走できるようです。その前走は、ペースが流れて極端な瞬発力にならなかったことで、持ち味が生きたんだと思いますし、陣営も“同じような競馬になれば、どこまでやれるか楽しみはある”と言ってましたけど」

木谷「僕はエポワスがけっこう怖いと見てます。１２００ｍで馬券を外したのは１回だけで、それも前が詰まっての５着。洋芝実績は今更言う必要もないですし、斤量が前回から３キロ増えるんですが、今週の札幌で大人気のモレイラ騎手が何かやってくれそうですよね」

目黒「そういう目線で言えば、スギノエンデバーも侮れないですよね。２走前は前が壁、前走は放牧を挟んで気配が一息だったものですし、陣営も『息遣いが前回とは全然違うし、かなり具合は良くなっている。５６キロなら一発あるよ』と鼻息が荒く、しかもミルコですからね。展開次第ではあるんですが、怖いですよ」

広田「前走は初の直線競馬で力を出せなかったレンイングランドやけど、少し夏バテの兆候も見られたんで、当初の予定を早めて函館に入厩させたそうなんや。ただ、そのおかげで体調がグンと持ち直したとのことやから、２走前のようにうまくハマれば、やろな」

木谷「ところで、さっきヒットザターゲットの話が出ましたが、確かデスクも先週の最後に名前を挙げてましたよね」

デスク「その件に関しては聞かれたくなかったんだが、確かに買ったぞ、単勝を。そしてなぁ、連の軸は普通に気のあったディサイファだったんだが、そこから相手を絞って結果的にヒットザターゲットを拾い損ねてな(泣)……。とんだ大誤算だったなぁ…」

木谷「ＤＡＩＧＯさんの馬券で大誤算ですか。さすがはデスク、転んでもタダでは起きませんね」

━夏競馬も残り２週。勝って実りの秋を迎えたいＴＭ陣だが、今週笑うのは果たして誰か？