ライバル除外で「アッサリ」もある馬　編集長らの◎が並んだ「まさか」の馬

２歳最初の重賞ウィナーは　注目すべきは…

デスク「有力馬の多くが１戦しかしてなくて、なおかつ馬場差もあって時計比較がしづらいから、今年もまた難しい一戦だよな」

落合「いやいや、今年は難しくないよ。この舞台でメンバー唯一、１分９秒台で勝ち上がったレッドヴェイパーで決まりだよ。その時計も開幕週ではなく２週目、しかも稍重発表でのものなら、数字以上に価値があるし、４１２キロと小柄な馬だから大幅な上積みは見込めないとはいえ、初戦だけ走ってもアッサリなんじゃないかな」

山崎「レッドヴェイパーの初戦は、ハナ差２着のケープコッドが続く未勝利戦をノーステッキで好時計勝ちし、５馬身差の３着馬も勝ち上がるなど、今年の函館の新馬戦で最もハイレベルだったものでしたからね。ハナ差勝ちでも、早目に抜け出して最後はソラを使っていたように、着差以上に能力差もあったと思いますし、完成度で抜けていると見ていいでしょう」

三代川「他場からの転戦組もいるとはいえ、近５年で馬券に絡んだ１５頭中、１３頭までの前走が函館芝１２００ｍだったように、続けて同じ舞台で戦えるのは大きなアドバンテージとなるはずです。基本的にはその組を中心に馬券を組み立てるべきレースですし、一番強い競馬をしてきたレッドヴェイパーを素直に信頼したいですね」

瀬古「今年の函館開催の２歳戦で１分９秒台をマークしたのはレッドヴェイパーとケープコッドだけですが、その当面のライバルが抽選除外となったのも、やはり追い風になりますね。“前走後は短期放牧に出しましたが、いい意味でリラックスして走れています”と、担当の岩本助手も状態に不安がないことを強調してましたし、２歳戦に強いキンシャサノキセキ産駒らしく、気性が前向きで非凡なスピードを持っているので、ここで嫌う理由が見つかりませんよ」

木谷「僕が気になるのは、前走で最後に詰め寄られていて少し物足りなさもある点で、乗り替りにもなりますしね。ただ、その前走の２着馬が除外されたので杞憂に終わる可能性もありますが…」

「アッサリ」もあるか、前売りでも人気のレッドヴェイパー（撮影：日刊ゲンダイ）

清野「私は、時計比較では見劣るものの、パフェムリが初戦で見せたソツのないレースぶりに魅力を感じますね。無理なく好位に付けると前に馬を置いて折り合い、直線でアッサリと抜け出した内容は、前・後半のラップのバランスも良く、たいして追ってもいなかったので、まだまだ時計も詰まるはずです。前に目標を置いて運べるという点でも有利ですし、昨年に初重賞をゲットした菱田騎手の、自厩舎の馬での初重賞制覇を期待します」

広田「その菱田騎手ですが“初戦は馬群で我慢できたし、抜け出してからも余裕があった”と、かなりの高評価でしたし、これまた小柄な牝馬ですが“この短期間でも馬体を増やして出走できそうで、レース後の回復も早く上積みは十分”と、陣営も手応えを感じている様子でした。とにかくセンスの良さと現時点での完成度の高さを買ってみたいですね」

馬場「僕は新馬勝ちの内容がとにかく強かったタイセイビジョンに期待します。函館デビュー組にアドバンテージがあるとはいえ、１分９秒台で走った馬が１頭だけ、というメンバー構成なら、他場デビュー組にもチャンスはあるはずです。その新馬勝ちは１４００ｍでしたが、道中の手応えからは距離短縮も歓迎と言えるのではないでしょうか」

小桧山「確かに、タイセイビジョンの初戦は押して行くと掛かるくらいの行きっぷりだったからな。“鞍上がリズム重視で乗ってくれたし、徐々に加速して突き放したあたりがセンスと素質だね”と、菊本助手も楽しみな様子だったけど、加えて“おそらく洋芝に泣くことはないだろう。あれだけ行きたがるなら１２００ｍも向くはずだし、輸送もクリアして前回時よりも落ち着きがある。頭数が増えて捌きが課題だけど、そこは名手ルメールにお任せだよ”と。◎に予定していたケープコッドの除外は残念だったけど、それに勝るとも劣らないほど取材の感触は良かった馬だよ」

デスク「ここまで名前の挙がった３頭が、おそらく上位人気を形成するんじゃないかと思うんだが、この３頭の欄で唯一無印になっているのが、木谷のタイセイビジョンなんだな」

木谷「前走は相手に恵まれた印象もありますし、強引な競馬でしたからね。距離短縮はまだしも、小回りコースではどうでしょうか。鞍上ルメールで過剰人気もしそうですし、個人的にはちょっと手が出しにくい存在ですね」