「辛勝」ではなく「完勝」のクビ差 レシステンシアが示した資質

佐藤直文 レース回顧
セントウルS

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いざスプリント界の頂点へ レシステンシア

 開幕週の馬場とはいえ、前半3ハロンは32秒9の猛ラップ。これを2番手で追走し、直線でキッチリと前を捕まえた上で、後続を封じ込めた勝ち馬は、着差以上のスプリント性能を示したと言える。

 そのレシステンシアは、スタートで抜群のダッシュを見せたが、内の馬を見ながら2番手に控えると、自身も33秒台前半のラップを踏みながら余裕の手応えでの追走。直線で一気に抜け出すと、ゴール前では2着馬にクビ差まで迫られたものの、前述したように完勝と言っていい内容だった。牝馬としては稀な500キロに届く馬格からも、スプリンターとしての資質に優れており、胸を張って3週後のGIに臨めるはずだ。

レシステンシア

1倍台の人気に推されたレシステンシアが追撃を凌いで優勝

 2着ピクシーナイトは、前走が内をついて立ち回りの巧さが目立った2着だったが、今回は枠なりに外を回る形で、ゴール前でも力強い伸びを見せたもの。古馬相手に斤量の差も生かしたとはいえ、本格化を示す走りだった。

 3着クリノガウディーは、勝ち馬の一列後ろのポジションから前を捉えられず、最後は2着馬に伸び負けした形だが、これは久々や斤量差の分もあったか。距離への対応は十分にできていた。

 4着ジャンダルムは、最後は一頭だけ目立つ伸び脚を見せたもの。出遅れが響いたことは確かだが、距離ももっとあっていいのではないだろうか。

 5着カレンモエは、自分の競馬ができてはいたがラストで伸び負けしてしまったもの。GIIIでは安定した走りを見せていたが、ここは相手も強かったか。

 ラウダシオンは、内枠を利して上手に立ち回り、直線でも一瞬は伸びてくるかのシーンもあったが、最後に息切れ。久々の分もあったとは思うが、息の入らない1200mでは距離不足かもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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