「得意ではない」ダノン陣営は渋い顔 ◎の数1位は「道悪の鬼」

優馬TM座談会
秋華賞

低評価に反発 この馬で勝負になる!

伊利「過去のデータに目を向けてみると、トライアル組が優位なことは確かなんですが、“前走が良馬場の1000万(現2勝クラス)で、2着にコンマ2秒以上の差を付けて勝った馬”は、昨年2着のミッキーチャーム、13年の2着スマートレイアーと、好走しています。今年で該当するのはブランノワール。ここ2走続けて栗東坂路の自己ベストを更新するなど、早目に春シーズンを切り上げたことが奏功しての2連勝中で、辛酸を舐めたチューリップ賞当時とはデキが違うと思いますね」

板子「6着だったそのブランノワールのチューリップ賞は、道中の立ち回りがチグハグで人馬のリズムが噛み合ってなかった感を受けましたし、能力を出し切った印象はありませんでしたね。初の1800m戦だった前走でも、控える格好からすぐに折り合いが付いた点でも確かな成長が窺えましたし、ここでも勝負になっていいと思います」

デスク「ローズSで2着のビーチサンバは、クビ差という着差を考えれば勝ったダノンとこれほど人気の差が付くこともないと思うんだが、オークスで崩れたあたり、距離が懸念されているんだろうか」

広田「ですかね…。ただ、前走はスローペースを早目に動いたジョッキーの好判断もあったとはいえ、4角先頭から一旦前に出た3着馬を差し返した価値のある内容でしたからね。勝ち馬の決め手に屈したとはいえ、脚質的な幅も広がったと言えます。ごちゃつきやすい京都内回り2000mにおいて、自在性を身に付けたことは買いの材料となりますし、陣営も“春と比べて心身ともにパワーアップした”とのことなら、オークスのようなこともないでしょう。馬体を併せての追い比べに持ち込めれば、勝負根性が生きるはずです」

武井「あと、穴として面白いのがコントラチェックですね。逃げた時は3戦3勝、敗れた3戦はいずれも控える形、という、とてもわかりやすい馬ですが、フラワーCの勝ち時計は前の週の中山牝馬Sを上回る優秀さでした。オークスでハナを叩かれたジョディーが不在のここは、自分の形に持ち込めるはずで、粘り込むシーンも十分考えられますよ」

馬場「これまでで唯一崩れたコントラチェックのオークスは、陣営によると“レースレコード決着の厳しい流れを番手で追走する形だった上に、走りに力みもあった”とのことで、やはり自分のリズムで走れなかったと見るべきです。対して今回は“東京2400mより京都内回りの2000mの方が合っているし、スピードを生かす競馬で改めて”と、巻き返しに意欲を見せてましたね」

コントラチェック

シェーングランツ(左)と併せたコントラチェック(右)(撮影:日刊ゲンダイ)

細川「オークスでの惨敗から立て直したトライアルの紫苑Sで出走権を取得したフェアリーポルカですが、“体質が強化されたことで馬体も減らなくなり、調教でしっかりと追えるようになった”と、満足のいく調整ができたことを陣営も強調していました。連続騎乗となる三浦騎手も癖を掴んでいるようですし、いい形でGIの舞台に臨めそうです」

デスク「あと、俺が気になる馬の名前がまだ挙がっていないんだが…」

瀬古「って、僕の方を見たってことは、担当厩舎のシゲルピンクダイヤのことですね。前走のローズSは、今までにない好位からの競馬でしたが、鞍上が折り合いに苦労していました。直線でこの馬らしい末脚を見せることができなかったのも、そのためでしょうが、オークスと同様にゲート入りに手こずる面も見せていたのも気になる材料でした。渡辺師も“状態はデビュー以来一番いいかもしれない。これが1600mだったら自信が持てるが…”とのことですが、距離が1ハロン延びる上にスタンド前からの発走で、課題の折り合いとゲートを克服できるかどうか。その不安を拭えない以上、世代トップレベルの決め手の持ち主ではあっても、個人的には評価を下げたいですね」

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