ＧIコンプリートなるか武豊＆エアスピネル　待ったをかけるのはどの馬だ？　朝日杯ＦＳを大激論

相手ではなく逆転可能の馬たちも

坂倉「僕は、ステップレースのレベルを考えると、エアスピネルのデイリー杯が抜けて高かったわけではないと思うんですよね。だったら京王杯の内容から、ボールライトニングで通用するんじゃないかと。１８頭立ての大外枠からスッと好位を取って折り合えたセンスの良さは、先週のジュべナイルでのメジャーエンブレムもそうだったように、大きな武器となるはずです」

小野智「そのあたりは“折り合いが付いてセンスの良さが光る。距離も延びて良さそうだよ”と、蛯名騎手もベタ褒めしてました。昨年を含めて、このレースを２度も勝っているジョッキーが感触を掴んでいるなら、迷わず買いですよ」

加茂「前走のパドックではイレ込み気味やったけど、宮本師は“あれは闘志をムキ出しにしていただけ。オンとオフの切り替えができる馬なんだ。まだ奥もありそうだし、ここも楽しみでしかない”と。この馬だってキャリア１戦で、しかも初の長距離輸送を克服したんやから、相当なモンやろね。エアやリオン同様に、こっちも無傷や。勝負になりますわ」

蛯名騎手の評価も高いボールライトニング（撮影：日刊ゲンダイ）

那谷「残念ながら無傷で来れなかったイモータルだけど、最後の直線で２度もゴチャつきながらハナ差まで迫ったんだから、内容は勝ちに等しいよ。ムーア騎手から急遽の乗り替わりとなった武幸騎手は、最終追い後に“まだ緩さがあるし、２歳のマイルＧIを勝つタイプではないかも”と辛口ジャッジだったけど、もともとコメントが控え目だから心配ないと思うし、“高い能力があるのは確か”と評価していたからな。操縦性の高い馬だから乗り替わり自体に不安はないし、むしろそれで人気を落とすようなら、これまた“迷わず買い”だろ。武兄弟のワンツーもあるんじゃないかな」

久光「僕の見立てでは、イモータルはちょっとクセのある馬だと思うんですよ。能力は認めているので、ガッチリ御せるジョッキーを希望していたんですが、幸四郎騎手は逆のイメージですね。ムーア騎手だったら◎も考えていたんですが、評価を下げざるを得ませんでした」

武幸騎手のトーンはあまりあがっていないイモータルだが…（撮影：日刊ゲンダイ）

デスク「で、久光の◎はアドマイヤモラールか。無傷の馬たちを相手に、４回走って３回も負けてる馬で大丈夫なのか？」

久光「前走の京王杯は、前半３ハロンが３６秒５に対し、後半３ハロンが３３秒５と、３秒もの落差が生じた完全な瞬発力勝負でした。ペースに乗じて早目にポジションを取り切った勝ち馬に対し、アドマイヤモラールは一旦控えた位置から外を追い上げる形で、立ち回りの差だけと見ていいはずです。超抜調教でデキも最高潮に映りますし、枠も絶好で、狙えますよ」

板子「デビューからの２戦では幼い面も見せていましたが、そういうところは抜けてきましたね。“脚質や一戦毎の成長具合から阪神コースは心配していない。レース運びが巧いので、この相手でも大きく見劣ることはないと思う”と、陣営もかなり色気を持っている様子です」

デスク「デビューから３連勝のシュウジだけど、エアスピネルに敗れた前走だって人気は上だった馬だよな。それに比べると一気に評価が落ちているが…」

持木「前走は、大外枠もあってスタートで外へ膨れながらスピードの違いでハナに立ってしまったものです。それでいて２着を死守したのは価値があると思いますし、エアスピネルとの３馬身半差が、そっくり能力差ではありませんよ。もちろんエアが最大の敵となるでしょうが、先行有利の馬場状態から、逆転もあると思いますね」

瀬古「前走はスタートのヨレを修正した時にハミを噛んでしまったようです。以降はずっと力みっぱなしでしたし、本来の走りではなかったですよね。この中間は、長い距離をゆったり走らせる調教も消化していますし、何より岩田康騎手が付きっ切りで馬との絆を深めています。兄のツルマルレオン同様に、本質的にはスプリンターという可能性もありますが、前走では太目に映った馬体も締まってきましたし、スムーズな走りができれば逆転の目もあるでしょうね」