モズ＆ペルシアンを差し置いて　東西本紙◎が一致した「止まらん」馬

今年は怖いぞ関東勢　東西本紙◎のアエロ＆強い３歳ステルヴィオ

デスク「そんなマイルの頂点を極めた馬たちを差し置いて、東西本紙担当の◎が一致したのがアエロリットだな」

中邑「安田記念は自ら勝ちに行っての２着で、いわゆる負けて強しの内容。前走の毎日王冠も東京１８００ｍで歴代２番目の速い時計での完勝と、充実ぶりが際立っています。ヴィクトリアマイルは落鉄に加えて中途半端に外を回って動いたのが敗因だと思いますし、ここ２戦の走りができれば、ＮＨＫマイルカップ以来２度目のＧI制覇もあると見ました」

武井「アエロリットがこれまで連を外した３戦は、いずれも稍重以下の馬場だったもので、良馬場では９戦してパーフェクト連対なんですよ。前走の毎日王冠は過去最高の馬体重で、デビュー時から比べると実に３２キロも増えています。また、メンコを外してレースに臨んだのは２歳時以来でしたが、実にリラックスして走れていて、まさしく心身ともに大きな成長を示したレースぶりだったと言えますね」

佐藤直「加えて言うなら、アエロリットが逃げた時は前走も含めて２戦２勝なんだよ。ここは楽にハナへ行けるメンバー構成だし、強力なライバルたちが揃って差し馬なら、止まらんだろ」

小桧山「強かった前走について“全てモレイラに任せていたが、さすが名手。ペースも追い出しのタイミングも丁度良く、最後まで伸びていたよ”と振り返っていた菊沢師だけど、今回も“中間はミニ放牧を挟んだけど、前走でスイッチが入ったようで、調教でも抑え切れないほどの行きっぷり。更に一段階、状態が上がったね。右へ張るところがある馬だから、ラチを取ってマイペースに持ち込めば、そう簡単には止まらないよ”と、自信の表情だったな。俺も、最後にもうひと伸びできる直線平坦の京都なら、止まらないと思うぞ」

田崎「確かにアエロリットの毎日王冠は鮮やかでしたが、内容的にそれ以上と言えたのが２着のステルヴィオでしょう。初の古馬相手で力が通用することを十分に示しましたし、この馬にとってベストの１６００ｍなら、チャンスだと思います」

西田「毎日王冠では、エンジンの掛かりが遅く、勝負どころで反応が鈍くなりましたが、勝ち馬も含めて前残りの展開を苦しい位置からよく追い上げました。今回は久々のマイル戦ということで、より俊敏さが要求されますが、陣営もそのあたりをテーマに調教で修正をしてきましたし、そもそもマイル自体は朝日杯２着などの実績や、流れに乗りやすいという点でもベストの距離でしょう。昨年に続いて今年も３歳馬が制して不思議はないですよ」

前走の内容が圧巻だった牝馬のアエロリット（撮影：日刊ゲンダイ）

デスク「ここまで名前の挙がった馬たちは、いずれも外国人騎手だよな。今週も日本人騎手は出番ナシなのか？」

加茂「いやいや今週こそでっしゃろ。アルアインは久しぶりのマイル戦がＧIという決して楽な状況ではないですが、この馬が持つマイラーとしてのポテンシャルの高さに注目せなあきまへんで。鞍上の川田騎手も“マイルでの走りを見たい”と楽しみな様子やったし、何よりガイジン人気で馬券の妙味も十分ありまっせ」

桜井「アルアインがハイレベルな中距離路線でも崩れずに走っているのは、能力が高い証拠でしょう。マイルなら課題でもある“あとひと踏ん張り”が利いていいですよ」

久光「いかにも、待ってましたのマイル戦ですよね。過去、マイルは３戦２勝で、唯一敗れたシンザン記念は落馬寸前の不利があった参考外の一戦。皐月賞以降の敗戦はいずれも伸び負けた感が強いですし、天皇賞での１６００ｍ通過１分３３秒２のラップを楽々と追走して仕掛けられたあたりは、この馬のスピード値の高さの証明でもあります。２枠３番も絶好枠でしょう」

那谷「この馬に関しては、天皇賞の時も“器用貧乏なタイプ”と言った記憶があるけど、やっぱり結果は中途半端な４着。陣営は“ジャパンＣでは距離が長い”と判断しての参戦なんだが、母が米国の最優秀短距離馬という血統背景を考えても、マイルがベストの可能性はあるよな。少し荒れてきた今の馬場で、究極のキレ味を要求されないのも追い風とはいえ、それでも展開が噛み合って、という注文は付くと思うけどが…」