「１強」にテン乗りレーンの様子は？ ダノン戸崎圭はサートゥルに本音

逆転の可能性はもちろんアリ　ヴェロックス＆ダノンキングリー

西田「皐月賞の上位３頭が中心という見方は当然として、私はそれ以下に敗れた馬や別路線組が台頭する可能性は低いと見ています。その皐月賞で、勝ち馬より前の位置で運んで先に動いていったヴェロックスは、直線でぶつけられたことを考えても負けて強しの２着です。ゴール前でもうひと伸びしていたあたり、距離も延びて良さそうですし、逆転を期待したいですね」

坂倉「その前走で“不利がなければ勝っていた”という陣営のコメントがないのは大人の事情かもしれませんが、着差も着差ですし、僕は不利がなければかなり微妙だったと思います。東スポ杯では明らかに不利の影響で４着と敗れましたが、東京コースの走り自体は全く問題がなかったので、今一度期待したいですね」

山崎「僕も前走のヴェロックスは不利がなければ…と思う派ですが、この中間で更に攻めた調教に好感が持てる上に、大トビだけに広い東京へのコース替わりも間違いなくプラスです。何より過去４勝とダービーに滅法強い勝負服でもありますからね」

馬場「僕が気になっているのは当日の天気予報で、東京は最高気温が３０度を超える真夏日になりそうです。皐月賞の上位３頭の能力差は紙一重だと思いますが、３頭の中で“真夏の競馬”と“東京コース”の両方の経験があるのはヴェロックスだけ。案外、そういうことが強味になるのではないでしょうか」

デスク「陣営の本音はどうなんだ？　オフレコで“不利がなければ…”なんて言ってたんじゃないのか？」

加茂「不利を嘆くというよりも“それでもあきらめずにしっかりと走って２着を確保したことで、改めてこの馬の能力の高さを確認できた”と。そして“レース後の回復が早かったので、今まで以上に負荷をかけて調教ができたし、左回りは東スポ杯以来だが、当時よりも格段に力を付けている。今度は勝つつもりで行く”と、とにかく前向きなんや。これで負けても、相手が強かったと納得できるほどの状態やで」

大江原「俺も皐月賞上位３頭の競馬になると見ているけど、東京コースでのキレ味勝負ならダノンキングリー。この馬が一番強いんじゃないかと思うぞ」

久光「僕もダノンキングリーの逆転の目に一票を投じます。前走の最終追いが単走馬なりだったのに対し、今回は１週前にウッドで初めて６Ｆから時計を出してビッシリと攻め、直前も併せ馬でしっかり。金曜には少しうるさい位の馬場入りでしたが、大目標に向けて攻めの仕上げが施され、３強の中でも調教内容では一番でしょう」

小野智「皐月賞では一旦は勝つかのシーンがあったダノンキングリーですが、外からアッサリ交わしたサートゥルナーリアはマジで強かったと思える一方で、同タイムのアタマ差に踏ん張った事実は評価すべきです。戸崎圭騎手からも“やはりサートゥルナーリアは強いですよ。内でロスなく乗ったのに交わされたんですからね。ただ、こちらもデキが万全で、良すぎてハミがかりにだけ気を付けようと思わせるくらいです。昨年２着と悔しい思いをしたダービーですが、今年もチャンスがある馬に乗せてもらっているので、この馬の力を最大限に引き出して楽しもうと思います”と、頼もしいコメントを貰ってますし、この１０年で見れば、皐月賞で負けた馬が７勝もしているんですからね。無敗で臨んだ皐月賞よりも気楽な立場で乗れることも、いい材料だと思いますよ」

鞍上が頼もしいコメントを出しているダノンキングリー（撮影：日刊ゲンダイ）

田崎「デスクのご要望にお応えして、ここでチャチャを入れさせてもらいますが、ダノンキングリーの皐月賞は、ロスなく立ち回り一瞬の脚を使い切っての結果だったので、勝ち馬のみならず不利のあった２着馬と比べても、能力差は着差以上に開きがあると見ています。距離も前走がギリギリの感を受けましたし、２４００ｍはどうかと思いますね」

小島「その距離について、陣営は周囲がとやかく言うほど不安視はしていない様子でしたよ。とにかく抜群のセンスと自在性で展開に左右されませんし、母系のスピード色から今の高速馬場も歓迎で、サートゥルナーリアの隣の枠というのもレース運びがしやすいでしょう。休養の期間が違っただけで、ダノンキングリーの皐月賞もまた休み明けなら、同じように上積みも見込めます。いくらレーン騎手が達者だと言っても、やはりルメール騎手からの乗り替わりが大きなプラスとは思えませんし、だったらデビューから手綱を取り続けている戸崎圭騎手の信頼度の方が大きいと見ますよ」