名門厩舎が狙う“青葉賞→ダービー1着” レッドライジェル
ようやく目覚めて2連勝
短期放牧を挟んでの3戦目は、2月21日、デビューから3連連続での東京芝1800m戦は、さすがに4番人気と評価も落ちていた。ここでもスタートが悪く前走と同じような後方からの競馬となったものの、4コーナーで大外を回ってメンバー最速タイとなる33秒6の脚を披露。前が有利な流れで届かずの5着ではあったが、改めて素質の一端を示した形となった。
そして4戦目の3月14日、初コースとなる中山(芝・1800m)で、鞍上もこれまで手綱を取り続けていた北村宏司騎手が騎乗停止中だったため、柴田善臣騎手に乗り替わったが、後方で脚を溜めて3角過ぎからマクリ気味に進出し、大外から一気の差し切り勝ち。ようやく大器が目覚めた瞬間だった。
昇級戦は、4月4日の山吹賞(中山・芝2200m)。これまでの1800mから距離が2200mへと延びたが、前走と同じようなシンガリ待機から、直線で一気に弾け飛ぶ、父ディープインパクトを彷彿とさせる勝ちっぷりで、ダービーを意識できる存在となった。
今なら東京でこそ
『入厩当初から背中の感じが良く、大きいところへとイメージの沸く馬で、小柄ながら馬っぷりも良かった』と、厩舎の評価も高かった馬であるが、未勝利勝ちに時間を要したのは、馬群を怖がるなど、気性面の若さがあったためだ。
しかし、4戦目で未勝利を果たしてからは、『馬に自信が付いたのか、攻め馬でも気持ちが乗るようになり、グイグイ行くようになった。怖がりな面も徐々には解消してきている』中での、目論見通りの特別戦連勝だった。
そして、ダービー出走権を賭けて臨む、5月2日の青葉賞(GII・東京芝2400m)。
4月29日の最終追いは、これまでの坂路ではなく、南ウッドコースで、69.5-53.1-39.7-13.3(馬なり先着)と軽快な動きを披露。『距離は1ハロン延びるけど、前走でも折り合いに心配はなかったし、東京に行けばあの脚は魅力的』と、陣営も自信を覗かせる。
東京3戦未勝利、中山で2連勝という戦績だけを見ると、コース替わりがプラスとは思えないが、過去の東京3戦は“覚醒以前”のものであり、今なら明らかに東京でこその馬だろう。
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